こんちは、今回は第1回目に続き第2回目のコラムとなります。
まだ一回目のコラムを読まれていな方は『◯◯県サッカートレセンの活動報告』も読んでみてください。
では今回はどんな活動ができたのか、
『◯◯県から世代別代表へ』
をコンセプトにしている小林さんのU14トレセン活動の報告をしていきたいと思います。
- トレセン活動に興味のある人
- トレセン活動に関わってみたい人
- トレセンってどんな活動しているのか知りたい人
小林さんの活動報告からトレセンとはどんな活動しているのか読んでもらえたら嬉しいです。
◯◯県のU14トレセン活動報告
- 日時:2023年5月28日
- 会場:笠岡陸上競技場
いつもお世話になっております。
トレセン U-14 チーフの小林です。
先日、今年度 2 回目の◯◯県トレセンU14が開催されました。
今回も前回に引き続きテーマを『守備』と設定しトレーニングを行いました。
今回は前回チーム事情で参加する事ができなかったチームからも参加出来るようになったので沢山の選手が参加してくれました。
- 中体連の選手
- クラブチームの選手
今回は中体連とクラブチーム混合での活動となりました。
特に強豪チームから参加してくれている選手達の影響は絶大でした。
レベルの高い選手と一緒にトレーニングをするメリットについて
県トレセン U-14のメンバー内には強豪のクラブチームからも沢山選出されているため、
- 自発的なプレー
- 積極的なコミュニケーション
を取り合うことで他のメンバーも刺激を受けながら活動ができました。
中体連組とクラブチーム組が混ざり合うことで更に上のレベルを目指す事ができると思っています。
『強度をより高くする事で周りの選手達も触発されて同じような意識をもってプレーする様になる』
そういった理想を持ってトレーニングを進めて行きました。
ウォーミングアップは鬼ごっこ形式でコミュニケーション運動
コーンでグリッド(5m×5m)を作り、5対1の鬼ごっこをしました。
ルール
逃げる人はコーンで止まれば捕まらない。
鬼はコーンにいない人を捕まえる、捕まったら人は交代になる。
5人の選手は捕まらないために鬼と駆け引きをしながら逃げていく。
1人の浮いた選手が鬼にタッチされないように協力して鬼から逃げるといった感じです。
このウォーミングアップには以下の要素があります。
- コミュニケーション(発信、協力)
- 準備(ポジショニング)
- 判断して素早く行動する(決断)
最初にもお伝えしましたが今回もテーマは守備です。
守備で必要な要素をウォーミングアップから取り入れてリラックス状態を作りながら次のトレーニングに入っていきます。
ウォーミングアップの段階で既に選手達は良い雰囲気を作って取り組んでくれました。
もしかすると選手達からすれば無意識に行っていた事かも分かりませんが、
コミュニケーションを取りながら鬼を攪乱したり、
味方同士の動きが被り判断が遅れて鬼に捕まったりした時でもお互いが自分の考えを主張し合いながら、
自分達で盛り上げて良いテンションで取り組んでいました。
トレーニングその①『3vs3』のライン突破
ウォーミングアップから非常にテンションが高く良い雰囲気が作れているので、
トレーニングその①では強度を上げてどれだけ守備が上手く出来るかトライしました。
選手達も楽しそうに TR に入れているので、コーチの声掛けに対してもしっかり反応してくれます。
- 1stDF がボールホルダーに対してとにかくアプローチが速く
- パスでいなされても2度も3度も追って行くところ
- 2ndDFがボール(パス)の出どころ人(ドリブル)の出どころを狙ってタイミング良くボールを奪う
上記のようなシーンが何度もありました。
もちろん強度を上げると全体的に前掛かりになってしまうので背後を狙われます。
更にドリブルで簡単に剥がされるシーンもありました。
そういう失敗を繰り返しながらも、コーチのちょっとした声掛けでポジショニングが良くなったり、
コーチが何も言わなくてもスライディングをする選手がいたり、徐々に粘り強く守備が出来る様になっていきました。
トレーニングその②『4vs4+GK』の シュートゲーム
縦38m×横40m
次のトレーニングではピッチサイズで分かるようにゴール前の攻防です。
この状況ではボールホルダーに対してアプローチが遅れるとどうなるかは簡単に予測ができると思います。
そしてゴール前ではピッチに立っている選手全員が相手に少しの隙も許す事は出来ません。
ウォーミングアップとトレーニングその①の積み上げから選手達もこのトレーニングでは何を意識しなければならないか?
それは感じてくれている様に思えました。
- 最初からボールホルダーに対してはしっかりアプローチに行くし
- セカンドDF も前の選手の動きを見ながら良いポジションからのカバーリングが出来ている
ピッチサイズ的にはどの位置もシュートレンジなので相手がシュートモーションに入るとスライディングでシュートブロックする選手もいます。
GKも声を絶やす事無くシュートは絶対に打たせないという意識を感じました。
このトレーニングの中では選手達の取り組む姿勢を見ることが出来ました。
しかし、4vs4だと一人一人の守るエリアは更に広がり、
- 見るもの(ボール、人、スペース、ゴール)も増え
- 考える事も増えます。
強度を上げると闇雲にファーストDFがアプローチを仕掛けても守備のバランスが崩れると守るのが難しくなってきます。
ピッチが広くなり、人も多くなるトレーニングでは出来る事が多い選手と少ない選手の差がはっきり見えてきます。
出来る選手 | 出来ない選手 |
---|---|
守備の時考えて仲間と協力してボールを奪うことが出来る コミュニケーションがとれる 次のプレーの予測ができ準日が出来る 守備の時に有利と感じたら自身のマークを捨てて挟みにいくことが出来る 突破されそうになったら粘り強く対応できる 最後はスライディングなどで体を張れることができる | 近いの選手にはプレッシャーをかけることが出来るがその後は守備をやめてしまう 個人の勝手な判断で守備をすることをやめてしまう 他の仲間にプレイを委ねてしまう 守備意識が低く連動性がない 守備意識が低いせいでチームとしてのバランスが崩れ簡単にシュートを打たせてしまう |
同じ県トレU-14の選手でも考えて守備が出来る選手と出来ない選手ではこの様な差があります。
しかし、気になった場面などフリーズでコーチングをすると、
それに対しては反応してくれる選手が多いので、その時は上手く修正が出来ます。
コーチに言われなくても自分達で気付いて修正が出来る様になるのが理想ですが、
焦らず少しづつ出来る様になればいいと思います。
【紅白戦】11vs11の3チーム総当たり戦
ここまで凄く良い雰囲気の中でトレーニングが出来ました。
今日のトレーニングで積み上げてきたものを最後のゲームで選手達がどのくらい意識してプレー出来るのか非常に楽しみでした。
3チームともに気合が入っていて凄く良いテンションでゲームに入れていました。
今日は特に守備の強度を意識してトレーニングを進めて来たので、
ほとんどの選手が守備に関しては凄く意識が高く、必死にアピールしようと頑張っていました。
先ずはそれがすぐに感じられたので良かったと思います。
紅白戦の展開は?
高い位置からファーストDFが素早くアプローチに行き、
ボールの出どころにすかさずセカンドDF がアプローチに行く、
相手が前進出来ないところを畳掛ける様に囲い込んでボールを奪ったり、
ドリブル突破されそうになっても粘り強くついて行き、
最後はスライディングで止めたりするシーンは多く見られる様になってきました。
特に中体連組のM選手やH選手はクラブチーム組に負けまいと毎回必死にプレーしており、
中体連の代表として凄く頑張っています。
当然、上手く守備が機能しない時もありますが、
- 寄せが速くなったり
- 予測が当たってインターセプトしたり
- 簡単にドリブル突破をさせなかったり
- スライディングでブロックしたり
出来る事が確実に増えている選手は多くいると感じました。
しかし、冷静に観察すると実は攻撃側の質が低いという見方も出来ます。
守備の強度が高い中で起こる現象として、
- おもうようにボールをコントロールが出来ていない選手
- 状況判断が遅く選択肢が持てていない選手
上記のような選手ががまだまだ多いのも事実です。
とは言え、先ずは良い守備があるから、
攻撃の質が求められると思うので選手達の成長を見ながらトレーニングのプランも考えて行きたいと思います。
2回目のトレセン活動の総括
県トレセンU-14の選手達は非常に積極的で明るくて元気の良い選手が多い学年です。
それはこのグループの強みです。
その中でも、選出したクラブチームの選手達は自己主張が出来るし、
率先してトレーニングに取り組んでくれています。
この両チームの選手達は共にプログレスリーグ U-13 を好成績で終えており、凄く期待出来る選手達です。
では、それ以外の選手達が期待出来ないのか?と言うと、
そういう事では無く、間違いなくこの両チームの選手達が他の選手達の刺激になっていて、
その他の選手達からも『オレもやってやる!!』と言う気持ちを感じる事が出来るし、
お互いを高め合える関係性がこのU-14のグループには出来上がっていると感じています。
性格的に一見元気のない選手もいますが、
元気な選手達に巻き込まれて楽しそうにサッカーがやれていると思います。
選手達が皆で県トレセンU-14 と言う場をより良い環境にしてくれています。
今回も『守備』をテーマにトレーニングを進めて行きましたが、
選手は良い雰囲気を作って自分達で盛り上げながら取り組んでいました。
この様な雰囲気が選手達一人一人の力をより引き出してくれました。
紅白戦ではコーチの声よりも選手達の声の方がピッチに響き渡っていたし、
球際は激しくスライディングはするし、
コーチが促さないとやらない事を当たり前にやっていました。
選手達は楽しくも厳しく、勝つことに拘ってプレーしていたように思いました。
選手達のテンションは非常に良かったと感じています。
しかしシビアな見方をすると、多くの選手がまだ勢いだけで守備をしていると感じています。
フルコートになると当然一人一人が守る範囲は広がるし、
見なければならない相手も一人だけ見とけばいい訳ではありません。
- ファーストDFがアプローチを掛けたら、
- セカンドDFや更に離れた位置にいる3人目4人目の選手
は常に次のアプローチやカバーリングが出来る的確なポジションに立たなければならないし、
背後のスペースは常に気にしなければいけません。
クラブチームに所属する
- M選手
- T選手
- I選手
- T選手
- K選手
- M選手
- K選手
はそういった事を意識しながら動けている選手達です。
もちろん完璧にこなせている訳ではありませんが、良く考えてプレーしています。
全体的に見るとU-14の選手達は守備の意識が高いのでやれる事を少しずつ増やせていければ良いと考えています。
とは言っても、攻撃のクオリティが低いと守備のクオリティを上げる事は出来ません。
今回、守備に関しては決してクオリティが高かった訳ではありませんが、
トレーニングでやって来た事を意識してボールを奪えているシーンは多くありました。
トレーニングの積み上げがゲームで発揮出来ていたので良かったと思いましたが、
それは『攻撃側の選手の技術的なミスや判断ミスが多かった事も、少なからずボールを奪えた要因』になっていると思います。
攻撃に関してコーチ陣は殆ど働きかけをしていなかったので、
次回は攻撃のクオリティを上げられる様にトレーニングを進めて行こうと考えています。
相手のレベルが高くなれば当然今日の様な守備だと簡単に剥がされてしまいます。
攻撃の時にボールを持っていない選手は守備側の選手の動きを見ながら判断を変えられる選手だと、
- 相手の動きを見て一瞬距離を取ったり
- 背後を取ったり
- スペースを見つけると一瞬の駆け引きで簡単に有利なポジションを取ってきます
そしてボールを持っている選手は
- 動き出しのタイミングで良いパスを入れたり
- ファーストタッチで簡単に相手と入れ変わってドリブルで攻め上がったりする事が出来ます。
この様に攻撃のクオリティが上がれば必然的に守備側はもっと考えて守備をしなければいけなくなるので守備のクオリティも上がるはずです。
我々スタッフも選手達に攻撃面、守備面の双方にレベルアップ出来るきっかけを与えられる様、
先のトレーニングプランをしっかり考えて行きたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
当記事が選手または指導者さんや保護者の方の参考になれば幸いです。