2023年5月14日(日)
今年度から◯◯県トレセン U-14 のチーフをやらせて頂く事になり、私の中で目標を設定しました。
『地方にある県から日本代表 U-15 へ』
このコンセプトのもと1年間活動していきます。
今の〇〇県トレセンU-14の選手達が U-15 に上がった時に誰か一人、日本代表U-15に選出されるような取り組みをしていきたいと考えています。
先ずはどのような選手が日本代表 U-15に選ばれるのか?
それを知る必要があるのでナショ ナルトレセン中国地域担当のO氏にお話を伺いました。
日本代表U15に選出されるための条件とは
O氏と対談をしたときに最初に言われたのが、
『年代別とは言え、代表選手を選ぶともなればかなりシビアな見方をしなければならない』
という事でした。
O氏に日本代表U-15に選出されるための最低条件として
- 足元の技術
- フィジカル
- サッカー IQ
- メンタル
この4つの要素は絶対に必要だと言われました。
サッカー選手として試合のなかで出来る事が多くなければならない。
そして、それらを兼ね備えている選手達でも、『武器がないと中々選ばれない』とも言われていました。
それを聞かされて、今現在の◯◯県トレセンの選手の中でそれに該当する選手がいるかというと、その様な選手は残念ながらいません。
では、◯◯県トレセンとして月に1回のトレセン活動の中でどのような事を選手達に落とし込む必要があるのか?
その点もO氏に伺いました。
地方トレセンでなにをするべきなのか
この答えについてO氏はこう答えました。
O氏の考えでは、『日本代表 U-15 に選出される事を目標に置くなら、そのレベルに見合っ たプレー強度を求めなければならない』という事でした。
どういう意味なのか質問したところ、
トレセンに参加している選手達は、それぞれの所属チームでの活動が日常であり、その日常の中であらゆる事を習得している。
トレセン活動の中だけでのトレーニングではスキル習得は難しい。
だったら、トレセンスタッフが代表クラスの選手達が日頃どれ程の強度でプレーしているかを知り、その強度を基準として、◯◯県トレセンの中でそれを求めて取り組んで行くべき。
O氏はこの様に答えてくれました。
選手達はトレセンというレベルの高い強度で揉まれそれを自チームに落とし込む。
強度の高い中でいかに発揮できるのか?
発揮できる選手は可能性を感じるし、発揮できない選手はそれまでの選手になってしまう。
O氏との対談はとても奥深く、実のなるお話ができたと思います。
トレセンチーフのトレセンという場所の考え方は?
O氏との対談をする前の私の考え方は、トレセンという場所は
『技術的な事や、戦術的な事を習得するための場ではなく、一人 一人の選手達が自分の持っている力を発揮する場だと考えていました。』
だから Tトレーニングで選手達のパフォーマンスをチェックするよりも、ゲームを通して選手達のパフ ォーマンスのチェックができるよう、紅白戦に多くの時間を使うべきだと考えていました。
地方のレベルと日本を担うレベルの差は歴然だった
O氏との対談のなかで1つの例として興味深い話を聞かせてくれました。
◯◯県トレセンU-14の中で最も力のある2人の選手、G選手とT選手の話です。
彼等はU13の時にはナショナルトレセンにも選出されている優れた選手です。
両選手の特徴として
G選手はアタッカーで『スピードとテクニックを合わせもち』、『バイタルエリアでボールを持つとドリブルや周りの選手とのコンビネーションを織り交ぜ必ずシュートまで持って行ける敵チームに居ると非常に手ごわい選手です。』
T選手はボランチの選手で『ボールをほぼ失うことが無く、テンポ良く前線にボールを配給できる』、『無理だと感じればパスを散らしたり、後ろに下げて攻めるエリアを変える事ができる』、『隙があればドリブルで前進する事もできるというようにゲームをコントロールできる選手です。』
この2人は上記のような特徴をもっています。
この2人は、県内では間違いなくトップの選手です。そんな彼等がもし日本代表 U-15 に参加したとしたらどうなるのかO氏に質問しました。
O氏いわく、県内では優れているけど日本全国のトップでみた場合に通用する武器をもっていないため代表では目立たない。
ということでした。
正直なところ、G選手に関しては邪魔にはならないけど目立つ存在にはなれないでしょ う。
T選手に関しては普通の選手だと言われていました。
代表に入って、更にそこに残り続けるには圧倒的な武器が必要だと。
T選手は上手いし何でもできる印象が強いが、スピードがあるわけでもなく、フィジカル があるわけでもない。
所属チームでは絶対的な存在なので日常で何かを指摘される事もない。
それでは彼の成長は止まってしまうと言われていました。
ナショナルトレセンスタッフとの対談を聞いて決意したこと
ここまで忖度関係なく、正直に答えてくれたO氏にはとても感謝しています。
ここまでの対談を聞いて私が目標にした『◯◯県から日本代表U-15 へ』の私の考えは甘かったと感じざるを得ませんでした。
だからと言って諦める訳では無く、そこを目指して取り組んで行きたいと言う決意が固まりました。
先ずは1年間、トレセンスタッフ、各チームの関係者との関係性を構築していきます。
ナショナルトレセンコーチのO氏さんとも選手の情報共有や情報交換をします。
そしてトレセン活動の場が選手達の成長のためにより良い環境になるように変えていきたいと思います。
まだ2023年度は始まったばかりです。
このタイミングでO氏との話を聞けたのは自分の考えを見つめ直す意味でも良かったと感じています。
次は5月28日(日)に今年度2回目の〇〇県トレセン U-14があります。 選手含め、自分自身もどこまでやれるか楽しみです。